ヒマラヤ水晶が生まれる場所を、この目で
こんにちは、ALANKARです。
旅の記事にご好評いただいているので、記憶を辿りながら、写真を発掘しながら、少しずつ旅の記録を記していこうと思います。
インドのジャイプールで石を選ぶうちに、ずっと心に引っかかっていたことがありました。
「ヒマラヤ水晶が採れる場所を、自分の目で見てみたい」
現地まで行けば、きっと私好みの水晶に出会える。そんな予感だけを頼りに、私はヒマラヤの山奥を目指すことにしました。
崖崩れの山道を越えて
目的地は、マニハールからマニカランにかけての山あいの土地です。
山道を進む途中、崖崩れの直後の現場に出くわしました。ここでは、自然の厳しさと危険がすぐ隣にある。そう肌で感じながら、さらに旅を進めました。
デリーからクルへの空路があるけれど、フライトスケジュールや荷物の関係もあり、帰路がどのような状況になるか不透明だったため、陸路でクル地区に向かうことにしました。
その距離は丸2日間。悪路との戦いでした。
癒しの地、マニカラン
たどり着いたマニカランは、温泉の湧く土地でした。秘境であり、湯治場であり、癒しの地。一言で言うなら、「聖地」です。言葉では聞いていたことを、ここで初めて身をもって実感しました。

有馬温泉の金の湯のイメージがしました。
鉄分を含んだ泉質だと思いました。あたり一面湯気で曇り、グツグツと煮えたぎるような源泉でした。
お湯には入りませんでしたが、自然の巨大な岩盤浴場を少しだけ体験させてもらいました。岩盤が剥き出しになっている床は裸足で歩くのは困難なぐらいの熱が伝わってきました。
この温泉はお寺の施設でもあります。私もお米をお供えさせていただき、参拝客に提供されるランガルという無料の食事をいただきました。
この聖地に足を踏み入れる際は、ストールなど髪を隠せるものを持参されることを推奨します。
閉ざされた扉が、開いた日
水晶鉱山の麓の村を訪ねると、最初の反応は決して温かいものではありませんでした。よそから来た人間に、簡単に心を開く土地ではないのです。ましてや外国人には。
それでも、ここまで来て引き返すわけにはいきません。私は一生懸命に話しました。日本でマクラメという手法でアクセサリーを作っていること。天然石を使って、どんなものづくりをしているのか。この土地の水晶を、どう大切に使いたいのか。
すると、少しずつ相手の表情が変わっていきました。そして最後に、こう言ってくれたのです。
「明日、もう一度来なさい」
私のために並べられた原石
翌日、もう一度村を訪れると、そこには私のために水晶の原石がずらりと並べて用意されていました。前の日の、あのよそよそしさが嘘のようでした。
マニハール産の水晶は、透明度が抜群です。光にかざすと、どこまでも澄んでいる。そして手に取った瞬間、ビリビリと何かが伝わってきました。
「これだ」と思いました。ここまで来た理由が、ちゃんと手のひらの中にありました。

あの水晶は、今
このとき出会った水晶のうち、小さめの原石はペンダントにしたり、ワンドの先端に取り付けたりしています。
マクラメで石を包むとき、私はいつもあの山道と、村の人たちの顔を思い出します。石には、それが生まれた土地の空気や、手渡してくれた人の思いまで宿っている気がするのです。
ワークショップでは、こうして現地で出会った水晶原石を使う作品制作(上級レッスン)もしていただけます。